中小企業にとって運転資金・事業資金は会社を経営する上で欠かすことのできない重要な存在であることは間違いありません。

しかしながら事業資金を工面する方法というのは銀行やノンバンクからの借り入れが一般的となっておりそれ以外の企業により資金調達方法というのはほとんどないのです。

そんな企業の運転資金を工面するために活用することができる資金調達方法としてファクタリングサービスがあるのですが、どうしても資金繰りがうまくいかない経営者がファクタリングを悪用するケースもあります。

ファクタリングサービスというのは原則的に2社間での売買取引となるため

  • 毎月の入金を確認できる通帳
  • 請求書・発注書・納品書
  • 決算書や確定申告の書類
  • 売掛先との契約書

といった書類を確認した上で売掛債権を買い取るサービスです。

したがってこの取引先との間に売掛金があることを証明することができれば、実際に取引がなくてもファクタリングをすることができることになります。

そんな実際には存在しない架空の売掛債権を現金化した企業はその後どういった結末を迎えることになるのでしょうか?

取引先からの入金ずれによって利用したファクタリングサービス

架空の売掛債権のファクタリング

建設業というのは工事完了から支払いまで3ヶ月先となることも珍しくない支払いサイクルの長い業種というのはご存知かと思います。

それでも建設関係に従事している多くの企業は苦しいながらも何とか資金繰りをこなしていますが、私の会社はある取引先の入金ずれによって事業資金がまったく足りない状況に陥ってしまったのです。

そんな窮地に追い込まれた状況から救ってくれたのが「ファクタリングサービス」でした。

資金不足から倒産まで考えていた資金繰りはファクタリングをすることによって何とか立て直すことができたのです。

その後も何度かお金が足らない時にはファクタリングを利用していたのですが、徐々に経営状態が悪化しつつありました。

それはキャッシュフローを改善するためのはずのファクタリングによる手数料が高く、利益が削り取られていたのです。

資金繰りに詰まった会社が架空の売掛債権をファクタリング

架空の売掛債権をファクタリング

小さな建設会社を経営する私にとって事業資金を工面する手段はほとんどなく、ファクタリングが唯一の金策方法でした。

そんなファクタリングを何度か利用しているうちにこの売掛債権の現金化の仕組みというのが把握することができ、虚偽の請求書や発注書を作成し架空の売掛金を現金化したのです。

もちろん何度も利用しているファクタリング会社ですので疑われることはまずありません。

1ヶ月先となる300万円の売掛金をファクタリングしたところ、240万円が翌日に銀行口座に振り込まれました。

故意に売掛金を計上し架空の債権を現金化することは悪いことと感じていましたが、会社を経営している以上、守らなければならないものもあり実行したのです。

そして運命の架空の売掛金の入金日がやってきました。

当然ながら取引先からの入金はなく、ファクタリングしたキャッシュは運転資金で支払いしたため現金はありません。

ファクタリング会社から高額の請求をされることに

ファクタリング会社から高額の請求

普段は温厚でとても丁寧な口調のファクタリング会社の担当スタッフも架空の売掛債権をファクタリングした事実を知ると、まるで別の人間のような形相ですぐに会社に飛んできました。

そして取引先となる企業に行き今回の事情を説明し、虚偽の請求書を発行し架空の売掛金を現金化したことを伝えたところ「債務のない当社にはまったく関係ありませんので、当人同士で解決してください」と当然の回答となったのです。

通常のファクタリング契約では債権譲渡によって売買取引が行われることになりますが、このファクタリング会社ではそういった契約は省略され書類の確認と契約書だけで取引が完結したため、架空の売掛金でもファクタリングできる落ち度がありました。

しかし虚偽の申告をしたことは間違いなくファクタリング会社から300万円の請求だけではなく、交通費やその他の経費も含め350万円を一括請求されることになったのです。

このファクタリング会社は手数料も高く違法な業者のような感じはしましたが、架空の売掛債権によって現金を騙し取ったのは私です。

そのため警察や弁護士には泣きつくこともできず、ファクタリング会社への支払いをすることにしました。

詐欺罪で立件されることを恐れながら業者への支払いに苦しむ

詐欺罪で逮捕される恐れ

私が行った架空の売掛金のファクタリングは明らかな「詐欺行為」となります。

そのためファクタリング会社からは「詐欺罪で刑事告訴するぞ!」と罵られながら毎月の支払いに追われています。

もちろん悪事を働いたのは私自身であり正規の売買契約ではありませんが、もし本当に売掛債権が実在していても取引先が倒産や入金ずれとなれば同じような結末になっていたのではないでしょうか?

確かにファクタリングは貸金業ではありませんが、手数料の高さはヤミ金融よりもはるかに高いことは間違いありません。

短期的に見ればつなぎ資金としての利用価値はあるかも知れませんが、継続的にファクタリングを利用すれば経営は悪化していく麻薬なようなものです。

ファクタリング会社に対し詐欺をしたのは私ですが、そうなったのもファクタリングの手数料が高いため詐欺をせざるをえない状況に陥ってしまったのが原因なのに。

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