企業による事業の資金調達方法として古くから「手形割引」という手法があることはご存知かと思います。

この約束手形というのは企業間の決済方法として使用されるもので、手形の振出人が受取人に対して指定した期日に指定した金額を支払うことを約束する有価証券なのです。

たとえば取引先から100万円分の請求をしたところ現金50万円と2ヶ月後の期日となる50万円の額面の約束手形によって支払われたとします。

50万円の約束手形は2ヶ月後にならなければ資金化することはできません。

つまり売掛債権と同様といえるでしょう。

そのためこの約束手形を期日前に現金化するために金融機関や専門の会社で手形割引することによって早期に現金化することができるのです。

ただ50万円の約束手形を50万円に現金化できるわけではなく、審査によって割引率が算出され割引料が引かれた金額が現金化されることになります。

仮にこのケースでの割引率が10%だった場合

額面50万円-割引料10%5万円=45万円が現金化

といった計算で手形割引は行われることになるのです。

この手形割引の仕組みはファクタリングにとても近い方法とされていますが、ファクタリングでも手形割引と同じように手数料などの費用があります。

ではファクタリングによる売掛債権の買取ではどのような手数料や割引料があるのでしょうか?

手数料とは異なるファクタリングでの「掛け目」とは?

ファクタリングの留保金となる掛け目

事業資金を調達するための方法としてファクタリングは非常に効率的な方法といえるでしょう。

早期に期日前の売掛債権を現金化することができるのは資金繰りに悩む事業主にとっては有効ということは間違いありませんが、そんな会社経営者にとってもっとも気になるのが「割引料」や「手数料」といったファクタリングする際の費用なのではないでしょうか?

ファクタリング会社を比較する際にも表記されている手数料を基準に申込をする業者を選んでいる方も少なくないでしょう。

そんなファクタリングでの手数料ですが、まず初めに知っておかなければならないのが売掛金に対しての「掛け目」という割合です。

たとえば500万円の売掛債権をファクタリングする場合ですが、この売掛債権の掛け目が80%だと

売掛金500万円×掛け目80%=現金化される金額400万円

といった計算となります。

しかしこの掛け目が手数料ではなく言い換えれば「留保金」であり、その中に手数料は含まれることになるのです。

つまり上記のケースでの留保金は20%となる100万円となり、売掛債権回収後に手数料やその他の費用が差し引かれ残額は返金されることになります。

したがって「掛け目」自体が手数料の割合ではなく手数料を含んだ留保金といえるでしょう。

ファクタリング契約する際にかかる手数料などの費用の内訳

ファクタリング契約に関する費用

ファクタリング会社を比較する際に重要となるのが手数料ですが、実際には売掛金の売買手数料以外にもさまざまな費用を負担しなければなりません。

出張交通費や登記費用といったものだけではなく複数の手数料がありますので、注意しましょう。

契約事務手数料

債権譲渡に関する契約書の作成などの事務手続きなどで「契約事務手数料」や「着手金」といった費用がかかることがあります。

こういった事務コストに関する費用は法律的なものではないためかからないファクタリング会社も少なくありません。

0円から30,000円

審査料・調査費用

ファクタリングは融資ではありませんが、譲渡される債権を支払う企業とファクタリングを利用する企業について審査が必要となります。

この審査のための調査費用は実費として依頼する企業が負担することになるのです。

5,000円から30,000円

登記費用

ファクタリングによる債権譲渡契約では譲渡した債権を第三者からのトラブルを防ぐために登記することになります。

「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律の一部を改正する法律」という法律によって譲渡された債権はファクタリング会社が債権者となるためトラブルを回避することができるのです。

この債権譲渡の登記は司法書士に依頼されることになります。

40,000円から50,000円

印紙代

債権譲渡契約において印紙税法に基づき契約書には収入印紙を貼ります。

200円から20,000円

公正証書作成費用

基本的に債権譲渡の契約においてほとんどのファクタリング会社では公正証書を必要としませんが、中には公正証書を作成するところもあります。

これは債権の回収時において契約に違反する行為に備えたものといえるでしょう。

売掛債権の金額によって公正証書作成の費用は異なってきます。

5,000円から45,000円

出張交通費

民間ファクタリング会社の大半は東京を拠点に営業を行っています。

そのためファクタリング契約をする際には東京に行く必要があるため交通費を負担しなければなりません。

東京まで行くことができない場合には出張を依頼することも可能ですが、この際の交通費も実費として負担することになります。

0円から50,000円

ファクタリングの手数料は売掛先の審査によって決まる

ファクタリングの手数料の審査

細かな契約に関する費用よりも大きな割合となるのがファクタリング契約成立時の売買手数料ということは間違いありません。

特に独立系ファクタリング会社の大半は2社間でのファクタリングとなるため売掛債権額の50%というケースもあるのです。

この売掛債権の売買手数料はどのように決められているのかといいますと、

  • 債権を支払う義務のある債務者となる企業
  • 債権を譲渡した債権者となる企業

の両方の審査結果によって売買手数料の割合が判断されるのです。

そのため民間ファクタリング会社での売買手数料は債権が未回収となるリスクを考慮することから売掛金の5%から50%と幅広い割合となります。

2回目以降のファクタリングでは手数料は安くなる?

2回目以降のファクタリングの手数料

このようにファクタリングにはさまざまな手数料や費用を負担することになるのですが、事業資金を工面するために売掛金を早期に現金化したい中小企業の経営者にとって少しでも安く費用を抑えたいと考えるのは当然といえるでしょう。

ではこのファクタリングの手数料を安くするためのコツとしては、初回の契約時よりも2回目以降の契約時のほうがいくつかの費用が省かれることがあります。

たとえば審査のための調査費用は前回と同じ企業であれば、簡単な調査だけで済むでしょう。

そして2回目以降であれば交通費を負担することなく電話や郵送によって契約を交わすこともできる業者もありますので、そういったファクタリング会社であれば初回よりも2回目の契約時の方が安く売掛債権を現金化することが可能です。

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